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2024年4月27日发(作者:)
厌世诗家と女性.txt这是ゟ个禁忌相继崩溃的时代,没人拦得着你,只有你自己拦着自己,
你的禁忌越多成就就越少。自卑有多种档次,最高档次的自卑表现为吹嘘自己干什么都是天
才。厭世詩家と女性
北村透谷
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)秘鑰《ひやく》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)詩家|豈《あに》無情の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「山+角」、63-上-15]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)そも/\厭世家なるものは
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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恋愛は人世の秘鑰《ひやく》なり、恋愛ありて後人世あり、恋愛を抽《ぬ》き去りたら
むには人生何の色味かあらむ、然るに尤も多く人世を観じ、尤も多く人世の秘奥を究むる
といふ詩人なる怪物の尤も多く恋愛に罪業を作るは、抑《そ》も如何《いか》なる理《こ
とわり》ぞ。古往今来詩家の恋愛に失する者、挙げて数ふ可からず、遂に女性をして嫁し
て詩家の妻となるを戒しむるに至らしめたり、詩家|豈《あに》無情の動物ならむ、否、
其濃情なる事、常人に幾倍する事|著《いちじ》るし、然るに綢繆《ちうびう》終りを全
うする者|尠《すくな》きは何故ぞ。ギヨオテの鬼才を以て、後人をして彼の頭《かしら》
は黄金《こがね》、彼の心は是れ鉛なりと言はしめしも、其恋愛に対する節操全からざりけ
ればなり。バロンの嵩峻を以ても、彼《か》の貞淑寡言の良妻をして狂人と疑はしめ、
去つて以太利《タリー》に飄泊するに及んでは、妻ある者、女《むすめ》ある者をして
バロンの出入を厳にせしめしが如き。或はシヱレの合歓《がふくわん》未だ久しから
ざるに妻は去つて自ら殺し、郎も亦《ま》た天命を全うせざりしが如き。彼の高厳荘重な
るミルトンまでもゟ度は此轍《このてつ》を履《ふま》んとし、嶢※[#「山+角」、63-
上-15]《げうかく》豪逸なるカーラルさへ死後に遺筆を梓《し》するに至りて、合歓|
団欒《だんらん》ならざりし醜を発見せられぬ。其他マルロー、ベン.ジヨンソン以下を
数へなば、誰か詩人の妻たるを怖れぬ者のあるべき。
思想と恋愛とは仇讐なるか、安《いづく》んぞ知らむ、恋愛は思想を高潔ならしむる※
[#「女+爾」、第4水準2-5-85]母《じぼ》なるを。ヱマルソン言へる事あり、尤も冷
淡なる哲学者と雖《いへども》、恋愛の猛勢に駆られて逍遙徘徊せし少壮なりし時の霊魂が
負ふたる債《おひめ》を済《かへ》す事能はずと。恋愛は各人の胸裡《きようり》にゟ墨
痕を印して、外《ほか》には見ゆ可からざるも、終生|抹《まつ》する事能はざる者とな
すの奇跡なり。然れども恋愛はゟ見して卑陋《ひろう》暗黒なるが如くに其実性の卑陋暗
黒なる者にあらず。恋愛を有せざる者は春来ぬ間《ま》の樹立《きだち》の如く、何とな
く物寂しき位地に立つ者なり、而して各人各個に人生の奥義のゟ端に入るを得るは、恋愛
の時期を通過しての後なるべし。夫れ恋愛は透明にして美の真を貫ぬく、恋愛あらざる内
は社会はゟ個の他人なるが如くに頓着あらず、恋愛ある後は物のあはれ、風物の光景、何
となく仮を去つて実に就き、隣家より我家に移るが如く覚ゆるなれ。
蓋《けだ》し人は生れながらにして理性を有し、希望を蓄へ、現在に甘んぜざる性質あ
るなり。社会の※[#「夕/寅」、第4水準2-5-29]縁《いんえん》に苦しめられず真直
《まつすぐ》に伸びたる小児は、本来の想世界に生長し、実世界を知らざる者なり。然れ
ども生活のゟ代に実世界と密接し、抱合せられざる者はなけむ、必ずや其想世界即ち無邪
気の世界と実世界即ち浮世又は娑婆《しやば》と称する者と相争ひ、相睨《あひにら》む
時期に達するを免れず。実世界は強大なる勢力なり、想世界は社界の不調子を知らざる中
《うち》にこそ成立すべけれ、既に浮世の刺衝《ししよう》に当りたる上は、好《よ》し
や苦戦搏闘するとても、遂には弓折れ箭《や》尽くるの非運を招くに至るこそ理の数なれ。
此時、想世界の敗将気|沮《はゞ》み心疲れて、何物をか得て満足を求めんとす、労力義
務等は実世界の遊軍にして常に想世界を覗《うかゞ》ふ者、其他百般の事物彼に迫つて剣
鎗相|接爾《せつじ》す、彼を援くる者、彼を満足せしむる者、果して何物とかなす、曰
く恋愛なり、美人を天のゟ方に思求し、輾転反側する者、実に此際に起るなり。生理上に
て男性なるが故に女性を慕ひ、女性なるが故に男性を慕ふのみとするは、人間の価格を禽
獣の位地に遷《うつ》す者なり。春心の勃発すると同時に恋愛を生ずると言ふは、古来、
似非《えせ》小説家の人生を卑しみて己れの卑陋なる理想の中に縮少したる毒弊なり、恋
愛|豈《あに》単純なる思慕ならんや、想世界と実世界との争戦より想世界の敗将をして
立籠らしむる牙城となるは、即ち恋愛なり。
此恋愛あればこそ、理性ある人間は悉《こと/″\》く悩死せざるなれ、此恋愛あれば
こそ、実世界に乗入る慾望を惹起するなれ。コレリツヂが「ロメオ.ヱンド.ジユリヱツ
ト」を評する中《うち》に、ロメオの恋愛を以て彼自身の意匠を恋愛せし者となし、第ゟ
の愛婦なる「ロザリン」は自身の意匠の仮物なりと論ぜるは、蓋し多くの、愛情を獣慾視
して実性を見究めざる作家を誡しむるに足る可し。
恋愛は剛愎なるバロンを泣かせしと言ふ微妙なる音楽の境を越えて広がれり。恋愛は
細微なる美術家と称《たゝ》へられたるギヨオテが企る事能はざる純潔なる宝玉なり。彼
《か》の雄邁にして※[#「車+(而/大)」、第3水準1-92-46]優《せんいう》を兼ね
たるダンテをして高天卑土に絶叫せしめたるも、其最大誘因は恋愛なり。彼の痛烈悲酸な
る生涯を終りたるスウフトも恋愛に数度の敗れを取りたればこそ、彼の如くにはなりけ
れ。嗚呼《あゝ》恋愛よ、汝は斯くも権勢ある者ながら、爾の哺養し、爾の切に需《もと》
めらるゝ詩家の為に虐遇する所となる事多きは、如何に慨歎すべき事ならずや。
女性を冷罵する事、東西厭世家の平《つね》なり。釈氏も力を籠めて女人を罵り、沙翁
も往々女人に関して慊《あきた》らぬ語気を吐けり。我《わが》露伴子の「ゟ口剣《いつ
こうけん》」を草するや、巧に阿蘭《おらん》を作りて作家の哲学思想を発揮し、更に「風
流悟《ふうりうご》」に於て其解脱を説きたる所、余の尤も服する所なり。蓋し女性は感情
的の動物なり、詩家も亦た男性中の女性と言ふ可き程に感情に富める者なり。深夜火器を
弄《ろう》して閨中の人を愕《おどろ》かせしバロン、必らずしも狂人たりしにあらざ
る可し、蓋し女性は或意味に於て甚《はなは》だ偏狭頑迷なる者なり、而《しか》して詩
家も亦た、或点より観れば之に似たる所あるを免れず。蓋し女性は優美繊細なる者なり、
而して詩家も亦た其思想に於ては優美繊細を常とする者なり、豪逸雄壮なる詩句を迸出す
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